懐かしい未来 /新居昭乃
ビクター音楽産業 VCH-10364 (1986.10.21) ¥2800 [CT]
ビクター音楽産業 SJX-30311 (1986.10.21) ¥2800 [LP]
ビクター音楽産業 VDR-1284 (1986.10.21) ¥3200 [CD]
フライングドッグ VTCL-60634 (2024.04.24) ¥3000 [CD]
曲名 作詞 作曲 編曲 [時間]歌手
1 Ring Ring 戸沢暢美 新居昭乃 清水信之 [4'30"]新居昭乃
2 月よ凍れ 川村真澄 新居昭乃 門倉聡 [4'55"]新居昭乃
3 金色の目 新居昭乃 新居昭乃 門倉聡 [4'30"]新居昭乃
4 地図をゆく雲 青木景子 新居昭乃 清水信之 [4'49"]新居昭乃
5 美しい星 新居昭乃 新居昭乃 門倉聡 [4'53"]新居昭乃
6 1999 新居昭乃 新居昭乃 門倉 聡 [3'56"]新居昭乃
7 約束 (Single Version) 川村真澄 加藤和彦 清水信之 [4'47"]新居昭乃
8 ロゼ・ルージュ 新居昭乃 新居昭乃 門倉聡 [4'29"]新居昭乃
9 Sky Lounge 新居昭乃 新居昭乃 清水信之 [5'19"]新居昭乃
All Songs Composed by Akino Arai (except B-2 By Kazuhiko Kato)
Araanged and Computer Programmed by Nobuyuki Shimizu, Satoshi Kadokura

[Musician]

[Staff]

[Misc.]

ジャケットなどに使われている写真は、すべてLP、CDとも同じものが 使われています。
また、歌詞やメンバーの記述にも特に差はないようです (当然写真の大きさは違います)。
LP、CTでは、「1999」以降の曲がB面となっています。
なお、CTの収録時間は、SIDE Aが[23'39"]、SIDE Bが[18'32"]となっています。
「約束」は、「ウインダリア音楽編」に収録の物とアレンジが異なります。
編曲の清水信之さんは、平松愛理さんの旦那様だそうです。
尚、コーラスに「Mikan Chang 」のクレジットがありますが、 「Mikan Chang=新居昭乃」です。

2024.04.24、フライングドッグから再発売されました。 帯には「この商品は1986年に発売されたVDR-1284と同一収録内容です。」との記載があります。

【雑誌】
以下は発売当時のプレス用昭乃さんご自身によるライナーノーツから引用及び後日の ご本人のコメントです。またラジオ等で語られた内容より曲解説をします。

[Ring Ring]
戸沢暢美さんの可愛らしい詩のおかげでとてもPOPな歌になりました。
明るくて、ちょっとせつない真夜中の長距離電話のおはなしから、 このLPがはじまるのです。
[解説]  福岡アマチュア時代の曲です。 当時は、「LONG LONG DISTANCE CALL AT MIDNIGHT」という長い題名でした。 アルバムに収録されている曲の歌詞は、アルバム制作に合わせて新たに 創られたものです。

[月よ凍れ]
「ああ、もうどうしようも無く好き」になってしまった人とふたり、 ほんとうに煌いていられるのはほんのひととき。 その一瞬を『つきよ凍れ』という言葉に託しました。
川村真澄さんの、不思議でセクシーな詩と、エキゾチックなアレンジで、 聴く人のまわりに、そっとまとわりつくように漂ってくる曲です。
後奏では、妖精“パン”がフルートを吹いてくれました。
[解説]  福岡アマチュア時代の曲です。 アルバムに収録されている曲の歌詞は、アルバム制作に合わせて新たに 創られたものです。

[金色の目]
結婚する友達に贈った歌です。フランス語を使ったのは、もうひとりの仲の 良い友達のアイデアでした。思いもかけず、POPCONの本選会、 世界歌謡祭にまでこの曲で出場しました。
そのあと、私はピアノを弾いて、はじめて人前で歌うようになった、 というすべてのきっかけをつくってくれた曲です。
アレンジは、ノスタルジックでスリリング。 これ以上せつないバイオリンはないくらいのソロを聞いて下さい。
[解説]  言わずと知れた昭乃さんの出世作。
歌詞のフランス語は九州大学の教授に指導を受けたそうです。
昭乃さんが大学生の頃、女の子3人で生活していて、 一人は昭乃さんと似たマイペースでゆっくり生きている子、 もう一人は、ものすごい勢いでテンションの高い生き方をしている子でした。
このテンションの高い子は、毎朝一番に起きては、マリア・マルダー (カントリー畑の女性ボーカリスト)の「Midnight at the oasis」収録の アルバム(おそらく「オールド・タイム・レディ」)をかけていて、 昭乃さんともう一人は「朝か……」と思って起きる生活をしていた。 (それで、この曲は、昭乃さんにとっては、朝のイメージが定着)
そのテンションの高い子が、卒業する前に結婚することが決まって、 その結婚パーティで、昭乃さんともう一人のマイペースな友人と いっしょに踊ろうと思い創った曲です。
ちなみに世界歌謡祭出場の映像を昭乃さんご自身が所有しており、 「もう15〜6年経つのに、まだ直視できない髪型だ……」との事。


[地図をゆく雲]
恋人が横に居ても、夢を追いかける男の人の心は、いつもでも旅行中。 寂しいけどだからこそよけい、魅かれてしまう。
同年代の青木景子さんが、そんな気持ちを、 とても素直に描いて下さっています。
個人的に好きな“70年代”ポップス”を感じるサウンド、 のびのび歌うことができました。 空の色や、風の感触が伝わってくると思います。
[解説]  歌詞は、アルバム制作に合わせて創られた作品。
作詞の青木さんの語るところによると、当時の昭乃さん担当ディレクターの 「長距離電話の歌詞と、旅立って行く恋人への詞、どっちがいい?」 というオーダーで歌詞は創られたようです。


[美しい星]
日常の平和の中に居ると、何の危機感もなく済んでしまうものです。
でも宇宙の広さ、地球の小ささ、もっと小さな人間、ひとつひとつの命、 等々に思いを馳せると、ふと、何かこのままじゃいけないような気持ちに なりました。
もうずいぶん前につくった曲ですが、ずっと歌っていきたいテーマの ひとつです。
歌い方が強すぎて、発売されてから14年間、 自分から聴きたいと思ったことのないテイクですが、 良く解釈すれば「遠い宇宙まで願いが届きますように」って感じにも 聞こえて新鮮でした。(五島プラネタリウムにて)
[解説]  昭乃さんのプロ・デビューのキッカケとなった名曲。
福岡時代の昭乃さんの友人が、ビクター宣伝部に就職した時に約束した 「僕が動けるようになったら、真っ先に昭乃ちゃんのテープを、誰か良い ディレクターに聞かせるけんね」の言葉通りに、友人がディレクターに この曲のデモテープを持ち込み、 プロ・デビューの話がトントン拍子に進みました。
ちなみにその友人は、後にCOCCOのディレクターになったそうです。


[1999]
あと10年ちょっとで地球が破滅するんですってよ!!
毎秒毎分悔い無く生きている人なら、そんなこと聞いてもあわてません。 特に、愛で充たされている恋人同士、手を取り合って 「死ぬときはいっしょ。」なんて誓い合ったりして……。 「1999」これは、カッコイイ、と思います。
もちろん、あの予言からインスパイアされて作った歌詞です。 「自分たちは死んでいくけど愛は永遠」と歌っています。
それ自体は決して否定しないけど、今となっては、躍らされた 自分がちょっとイヤ。そんなものなど気にせず、前向きに、タフに、 普通に、生きていきたい。と、実際1999年を迎えたら、そう思いました。
[解説]  福岡アマチュア時代の曲です。 原題は、「ドリーム・スター」でした。 現在聴くことができる歌詞は、アルバム製作時に新たに創られたようです。

[約束]
アニメーション映画「ウインダリアの主題歌。私のデビュー曲です。
子供の頃、憧れていた加藤和彦さんの曲……//
何はともあれ、この曲を通じて知り合えた人達をずっと私の宝物にします
オフィシャルブログ にて加藤さんとの思い出を語られています。

[ロゼ・ルージュ]
やわらかい光と風のテラスで、ごいっしょに、 お茶の時間をすごしましょう……。
[解説]  昭乃さんが実際に経験した失恋話がベースに創られた秀作。
時は、福岡時代。20歳の頃の昭乃さんは、決して "かなわぬ恋" をしていた。
ある夜、天神(福岡の繁華街)にある夜景が見えるホテルのレストランで 食事をともにした時に、相手から「ごめんね……」と一言。そして 別れ際にホテルのお花屋さんで、大きな"赤い薔薇"の 花束を渡された。
喫茶店(*1)をしている実家には当時、ピアノが置いてあり、 帰宅した昭乃さんは苦々しい想いをしながら、 バンバン…とピアノを弾いていた。
すると、お母さんは"赤い薔薇"を花瓶に活けながら、 何もかも悟った様に「昭乃ちゃん。世の中にはね、 どーしても諦めなきゃいけない事があるのよ……」と語りかけた。 その時、昭乃さんは、 「えー、どうして(失恋したのが)分かっちゃったのー?」とドッキリ。 そして、あらためて「さすが母親ってすごい!」と感じたそうです。 この曲は、そんな時にできた、切ない人生歌です。

(*1)カナディアンコーヒー琲珈里(ひかり) 2002年2月閉店


[Sky Lounge]
高い高いガラス窓から見降ろせば、街は夢とうつつの間に揺らめいて見える。 明日からまた仕事だけど、今だけは何もかも忘れさせてね……。
ドラマティックに、このLPはおわるのです。