鉱石ラジオ /新居昭乃
ビクターエンタテインメント VICL-60721 (2001.05.23) ¥2500 [CD]
フライングドック VTCL-60154 (2012.04.25) ¥3 [CD]
曲名 作詞 作曲 編曲 [時間]歌手
1 Zincite Trance 新居昭乃 保刈久明 保刈久明 [1'23"]新居昭乃
2 鉱石ラジオ 新居昭乃 保刈久明・新居昭乃 保刈久明 [3'24"]新居昭乃
3 Satellite Song 新居昭乃 保刈久明・新居昭乃 保刈久明 [4'51"]新居昭乃
4 エウロパの氷 新居昭乃 保刈久明・新居昭乃 保刈久明 [3'33"]新居昭乃
5 きれいな感情 新居昭乃 新居昭乃 保刈久明 [4'18"]新居昭乃
6 How about u 新居昭乃 保刈久明 保刈久明 [0'31"]新居昭乃
7 赤い砂 白い花 (marrakech mix) 新居昭乃 新居昭乃 細海魚 [2'08"]新居昭乃
8 Trance Transistor Table Radio 新居昭乃 保刈久明・新居昭乃 保刈久明 [4'02"]新居昭乃
9 案内マウス 新居昭乃 保刈久明 保刈久明 [0'20"]新居昭乃
10 Welcome to Riskcaution Corporation 新居昭乃 保刈久明 保刈久明 [4'50"]新居昭乃
11 チェコの夢 〜 Fall 新居昭乃 保刈久明・新居昭乃 保刈久明 [7'20"]新居昭乃
strings arrangement by hogari hisaaki, arai akino [3,4,5]

[Musician]

[Staff]

[Misc.]

昭乃さんご自身のラジオ番組「Viridian House」のテーマ曲をモチーフに、 新たに創られた楽曲を中心に構成された、初のコンセプト・アルバムです。
プロデューサの保刈さんは、前回のアルバム「降るプラチナ」の制作過程で 彼自身の中に副産物のようなものができており、それを形にしたかった事と、 昭乃さん自身もラジオ番組をリニューアルするってことで、何か形にしたいって 思っていた事が結びついて、「ラジオ」をコンセプトにアルバムを制作する事に なったようです。
参加ミュージシャンは、堀越信泰さん、田中徹さん、細海魚さんなど、 エンジニアは松林正志さんとおなじみのメンバーが参加しています。 そしてマスタリングは「降るプラチナ」に引き続き、ニューヨークの TED JENSENさん(マドンナなどの作品を手がけて有名)に依頼されました。
「きれいな感情」は、アニメ「NOIR(ノワール)」のEDテーマ曲になっています。 この曲は、同アニメのサウンドトラックにも収録されていますが、こちらに 収録のものは、ニューヨークでマスタリングされたものとなっています。 (楽曲自体のバージョンは同じで、マスタリングのみが異なっています)

オフィシャルホームページに昭乃さんと保刈さんによる曲解説があります。
【概説・コンセプト】(昭乃さんご自身のコメントを編集)
Viridian Houseを4年間やってきて、ラジオに寄せられたお便りや、 リスナーの方たちと一緒に体験していったことなどを通して、ラジオで得たもの を音楽にして、「発表したいな」と、すごい想って創ったアルバムなんです。
タイトルは「鉱石ラジオ」といいます。``こうせき''って、あの「ミネラル」 の鉱石なんですけど、電池が要らなくて、石とコイルをぐるぐる巻いたり、 抵抗とかあるだけで、「それだけ?こんなでいいんだ(笑)」っていうくらい 簡単な仕掛けで受信できる、不思議なラジオなんですね。
ライブで「``鉱石ラジオ''って知ってますか?」って聞いた時、ほとんどの 人が知らなかったですけど、小学生の理科の実験とか? で、男の子は作った 事がある人が結構いるみたいなんですけど……。
今回、ラジオのアルバムを創るっていうので、「何かないかな?」って 捜してた時、保刈くんから「鉱石ラジオ」っていう言葉がでてきたんです。 名前は知ってたけど実物は見たことなかったんですけど、黒柳徹子さんが、 カンボジアで子供が作っているラジオ番組に出るっていうのをTVでやっていて その中で子供がカセットテープのケースに自分で作った鉱石ラジオを入れて 黒柳さんに渡していたのを見てイメージがピッタリきて「これにしよう」と。
「鉱石ラジオ」って言葉だけ聞いて、夢が広がった感じと、−実は、秋葉原に 捜しに行ったりとかして……。現実はちょっと違ったんですけど(笑)− 戦前のイギリスやアメリカとか外国の鉱石ラジオを集めた本を見ると、 デザインもすごく可愛いくて、夢がすごくあって、なんか特別な音が 聴けるようなイメージがしてしまって、「鉱石ラジオ」ってタイトル曲を 創りました。
全部で11トラック入っているんですけど、「ラジオの番組を聴くような、 雰囲気で聴けるようなアルバムになるといいな」と思って、最初はCMを 入れようとか、「♪エフエムなっくふぁーいぶ」みたいなジングルも入れよう とか思ってたんです。
でも、もうちょっと音楽寄りに創って、代わりにそういう役割をする モノなどや、もうMDでしか残ってなかったViridian Houseのテーマに 使ってた曲とかをちりばめました。あと詞の内容は、ラジオ番組で得たもの (皆さんから頂いたモノ)で創ったという感じなんです。
4年間で唄いたいことが、沢山たまっていて、それが最初にあったので、 保刈くんが創ってくれるトラックとほぼ同時進行で歌詞もメロディーも できていきました。私には珍しく即興に近いテイクが多かったです。 人と一緒にセッションするようにして創って行くのも楽しい! って事を 知りました。
【特典】
HMV各店では、「鉱石ラジオ」のネーム入りハンドタオルが付きました。
【販促グッツ】
ジャケットデザインのポスターとポストカードがあります。 ポストカードは、インストア・ライブの入場整理券と交換で、 直筆サイン入りで配付されました。
またチャラのライブハウス・ツアー中に、コーラス参加の昭乃さんから 「鉱石ラジオ」サイン入りタンバリンが客席に投げ込まれています。
【イベント】
インストア・ライヴ
  • 2001.05.27 HMV横浜VIVRE店
  • 2001.06.03 HMV渋谷店
  • 2001.06.27 HMV三宮店
【セールス】
オリコン アルバムチャート
  • 6/4付 45位(6380/ 6380枚)
【雑誌】
  • ADLIB 2001年6月号 [スイングジャーナル社] (P.47,139) インタビュー
  • ANIMEDIC park Vol.51 (01.5.20発行) [星光堂] CD評
  • CD Journal 2001年6月号 [音楽出版社] (P.49,217) CD評
  • CDでーた 2001年6月20日号 [角川] (P.94) CD評
  • hm3 Vol.? 2001年 [音楽専科社] (P.64〜65) インタビュー
  • HMV the music master No.105 2001年5-6月号 [HMV] (P.94) 解説
  • Keyboard magazine 2001年6月号 [リットーミュージック] (P.32〜33,166) インタビュー
  • MOE 2001年?月号 [白泉社] (P.77) CD評
  • Newtype 2001年7月号 [KADOKAWA] (P.221) CD評
  • Sound & Recording Magazine 2001年6月号 [リットーミュージック] (P.179) CD評
  • STUDIO VOICE 2001年7月号 VOL.307 [INFASパブリケーションズ] (P.74〜75) インタビュー
  • アニメージュ 2001年6月号 [徳間書店] (P.148) インタビュー
  • “オリコン”ウィーク ザ・1番 2001年6月4日号 Vol.21 [オリコン・エンタテインメント] (P.72) インタビュー
【ジャケットについて】(昭乃さんご自身のコメント)
不思議な蜂が飛んでいて、鉱石のような石に向かっている雰囲気なんですよ。 私はそういう風に、とったんですけど……。
今回は、デザイナーの角田純一さんという方にお願いして創ったんですが、 角田さんは凄くアートな方で、いろんな仕事をなさっておられます。
このアルバムにハマって、ず〜っと聴いてくれて、浮かんだものを 描いてもらったという状態なんです。 もう無数といえるぐらい、数多い絵を描いてくださって、その中から、 一番表紙になる絵を、プロデュースしてくれた保刈くんと、ディレクターの 井上さんで、とりあえず「これっ!」って選んで、その後、また考えて もらう事になりました。
打ち合わせに行くたびに「あー、またこんなのも創ってみたんだけど」と、 それから絵がどんどん増えちゃって、「あー、この絵もいい、この絵もいい」 みたいになって、なんかすごいエキサイティングな作業だったんです。
最終的に、アルバムを聴きながら絵を選んでいたら、その蜂が、何故か とても何か切なく思えてきて「ああ、もうこれしかない」決定したんです。
後から聞いてみると、保刈くんと井上さんは、なんか第一印象から 蜂だったらしく「鋭い二人だなー」って、改めて見直したんですけれども(笑)
そして角田さんは、ジャケットの印刷が上がって来た後も、なぜか ず〜っと絵を描いててくれて、さらに私たちを悩まさせてくれました。 これについては、ホント嬉しい悩みでした!

雑誌・ホームページ等でご本人が語られた曲解説です。(雑誌及びホームページ より引用編集)。

[Zincite Trance]
Zincite(ジンサイト)って、電気石の一種。かっこいい名前!  電波の波形そのもの! みたいなトラック。
Viridian Houseの最初のテーマが一瞬聞こえたりしてます。 実は、ノイズの合間にふたつのテーマ曲を使っています。 でもViridian Houseのテーマ曲をそのまま使ったのは、この曲だけです。

[鉱石ラジオ]
機械が苦手な私にとって、機械に強い人は尊敬すべき存在。 男の子が作った小さなラジオを、同じ歳くらいの私が受け取るという イメージ、丘の上で風がバァーっと吹いて……。
それまで自分とおんなじと思って一緒に遊んでた男の子が、 急にすごい人に見えてしまった瞬間の感覚の歌です。
出だしは、保刈くんが考えてくれたんです……メロディとか。 その出だしがあったおかげで、曲を続けて創ることができました。

[Satellite Song]
閉館してしまった五島プラネタリウムに捧げる歌です。
「音楽と星の夕べ」という企画で、私の歌と共に星を紹介するプログラムを 組んで頂きました。
小さい頃遊びに行ってたプラネタリウムで、自分の歌を聞きながら 地球一周の旅をするなんて、夢のようで、すごく気持ちが良かった。 その想い出を刻みつけておこうと創ったのが、この曲です。

[エウロパの氷]
「エウロパ」っていうのは、木星の衛星のひとつです。
「星」にハマった延長線上で、氷に覆われたこの衛星のことを知って、 こんな歌ができました。なんとなく地表じゃなくて、空が氷に覆われてる イメージです。
そんな星に、たったひとり居て、固く心を閉ざしてしまった人の歌です。 でも希望もあって、明日も自分は、そうやって生きていく、みたいな。
この曲は、レコーディングの時に保刈くんが、CLAVIA DMI Nord Leadで ボロ〜ンと弾いてくれたフレーズからメロディとともに詞が浮かびました。

[きれいな感情]
恋をするとからだの細胞が全部生まれ変わるような気がします。 新鮮で、気高くて、美しくて、すばらしい気持ち。 それをはじめて味わえる初恋は、ほんとに貴重なもの。 この世のすべての初恋に捧げます。
普通レコーディングの時は、リズム、ドラムベース、ギターとかを 録る時に、ガイドボーカルで、仮に歌を唄うんですけれど、 みんなの感じが良すぎて、仮歌がそのままOKになってしまったという 私にしては、珍しいバターンで録れた歌なんです。

[How about u]
ラジオで時々聞こえてくるステーションロゴみたいな存在。ラジオを 聞いているような気分になってもらえたらいいなぁと思って創りました。 保刈くんと魚くんで、いくつもバージョンを創ってくれて、その中で アコーディオンが素敵だった、このテイクを選びました。カッコ良すぎず、 ブッ飛び過ぎず、ちょうどいい「ゆるさ」って気がして……。

[赤い砂 白い花(marrakesh mix)]
この曲は、モロッコで結婚した友達にあげた歌。
アカペラで歌ってたトラックを魚くんに預けて音を付けてもらいました。
あの、マラケシュの赤い街と友達の白いドレス姿を、より強く思い出せる ような音になってて、なんだかびっくり。
自分が思い浮かべていたコード感と全く違っていたので、 「こんな歌だったんだ」とあらためて思いました。そして不思議な コード感が、曲を創ったモロッコの風景により近いので「面白いな」とも。

[Trance Transistor Table Radio]
よく「今、○○をしながら聞いています。」っていうお便りをもらいます。 ラジオで話してる時、私は狭いスタジオの中にいるんだけど、 受信してくれてる無数の点と点がつながっていって、 そこには、また別の世界があるような気持ちになります。

[案内マウス]
ホバークラフトみたいなちょっと不安定な乗り物に乗って、 次の曲まで連れてってもらうCMのようなイメージなんです。

[Welcome to Riskcaution Corporation]
私が一番好きなSF作家、フィリップ・K・ディックの世界。
自分でも知らない意識下の自分が望む場所へのバーチャルな旅っていう 設定です。ディック的に、現実と虚構の見分けがつかなくなっていく、 カオスな感じです。怖いもの見たさで、そんなツアーに行ってみたい。 (危険がいっぱいの乗り物に乗って宇宙を旅する感じですね。)
もともとは保刈くんの曲で、仮歌を私が別人になった感じで、 セクシーなトランジスター・グラマー系の人(金髪でミニスカート はいたベティちゃんのような女のコ)が「いらしゃいませ〜」って やっているイメージで唄っていたんです。すごく好きな曲だったので 「ぜひ、ください」て、アルバムに入れさせてもらいました。
実は当初、タイトルが「Welcome to Distortion Corporation」 だったんですが、保刈くんに「やだ」って言われて 「Riskcaution」という造語に変えました。

[チェコの夢〜Fall]
保刈くんが天から降りてきたフレーズを無意識にキーボードで弾いてて、 それを聴いて私も無意識に唄っているという、即興で創りました。 即興だと自分の予想しなかった展開が生まれるんですよ。 そういうのも音楽的かなと思っています。
自分の内側に向かって唄った感じが、チェコのアニメーションから 受ける印象と似ていたので、このタイトルをつけました。 「Fall」の部分は何番目かの番組のテーマがモチーフです。 そのテーマは秋に創ったから、「Fall」って呼んでいました。
これも保刈くんが創ったトラックに唄って、その歌を、また保刈くんが 編集して……というやり方で創りました。 秋の風と電波に飛ばされて、最後にはとっても心地良い場所に 行っちゃう感じがします。